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スチュワードシップ活動報告

当社では、次のような考え方に基づいてスチュワードシップ活動に取り組んでいます。

1. 議決権行使について

(1)議決権行使の基本的な考え方

  • 適切な議決権の行使は、投資先企業の健全なコーポレート・ガバナンス体制の確立や持続的成長を促すとともに、株主利益の向上に資する重要な手段であると考えています。
  • 議決権の行使にあたっては、形式的な基準で賛否を判断するのではなく、投資先企業における経営判断を尊重しつつ、中長期的な視点で対話することで、認識の共有を図ります。
  • なお、株主利益を損なうおそれがあると判断される場合には、議決権の適切な行使を通じて株主としての意思を表示します。

(2)議決権行使に係るプロセス

  • 当社が独自に制定した「議決権行使ガイドライン」に則り、株主利益の向上に資するか否かを判断基準として、議案ごとに賛否を判断します。

    議決権行使ガイドラインの概要

  • 株主利益を損なうおそれのある議案については、精査対象議案として選別し、投資先企業と対話を重ねたうえで、特に慎重に賛否を判断します。
  • 社外有識者を含む「スチュワードシップ委員会」が、議決権行使を含むスチュワードシップ活動全般に関与しています。
体制図

(3)議決権行使結果

2. 対話の状況

  • 当社は、投資先企業との対話を重視し、投資先企業との積極的な対話を通じて、経営状況の確認や課題認識の共有を図るとともに、企業価値向上に資する取組みを継続的に行っています。
  • 議決権行使にあたり、2019年7月から2020年6月において対話した国内上場企業は138社で、主な対話事例は以下のとおりです。

<対話をした企業の例>

  • ROEが一定水準を下回った企業
  • 収益性が低いにも関わらず、中期経営計画等を通じて改善策が開示されていない企業
  • 株主還元より内部留保を優先した企業
  • 独立社外取締役候補者の実質的な独立性に疑問がある企業
  • 再任対象の監査役の在任期間が長期であった企業
  • 経営状況を監視すべき社外取締役や監査役に、役員退職慰労金の贈呈を提案した企業
  • 経営状況を監視すべき社外取締役や監査役に、インセンティブ報酬を支給する企業
  • 不祥事件等が発生した企業

【剰余金処分議案】

<当社の着眼点>

  • 配当余力がありながら無配当もしくは配当性向が極めて低位となっていないか。
  • 成長投資や財務健全性を踏まえた株主還元策となっているか。

<対話の状況>

  • 投資先企業の経営状況や成長ステージ、外部環境等を踏まえ、配当余力や成長投資・内部留保の必要性、株主還元スタンスを確認し、中長期的な観点から株主還元策の合理性を判断しております。
  • 手元資金が潤沢であると判断し、株主還元の充実に向けた対話を継続した結果、配当性向が上昇した事例がありました。

【取締役選任議案】

<当社の着眼点>

  • 資本効率を意識した経営を行っているか。特に業績不振の場合は、改善に向け実効性の高い取組みが図られているか。
  • 社外取締役による経営監視等、コーポレート・ガバナンスが十分に機能する経営体制となっているか。
  • 法令違反等の不祥事が発生した場合、原因究明や責任の明確化、再発防止策の策定・履行等の対応が、適時適切に実施されているか。

<対話の状況>

  • ROE等の経営指標が相当期間にわたり低位に留まる場合は、投資先企業の経営状況や成長ステージ、外部環境等を踏まえ、改善策およびその進捗状況を確認し、中長期的な観点からその妥当性を判断しております。また、コーポレート・ガバナンスに不備が認められる場合や不祥事が発生した場合は、当該事象発生の背景や改善・再発防止策等を確認し、是正の可能性を判断しております。
  • ROE等の経営指標が低位に留まっていたため、改善に向けた具体的な取組みとその開示について対話を継続した結果、中期経営計画においてROEの目標値および具体的な改善策が明示された事例がありました。また、ガバナンス体制上の不備や法令違反等の不祥事が発生した状況では、継続的な対話により再発防止策の実効性を確認した事例がありました。

【監査役選任議案】

<当社の着眼点>

  • 対象会社に対し十分な独立性を有しているか。
  • 在任長期化等により経営監視機能が低下する恐れはないか。

<対話の状況>

  • 独立性に疑義が認められる場合には、当該候補者の属性・経歴等を確認し、監査役としての適格性を判断しております。
  • 在任期間が長期に亘り、外形的に監査役に求められる経営監視機能の低下が懸念される状況にあったため、継続的に改善を要請した結果、改選期において新任の監査役が選任された事例がありました。

【役員退職慰労金贈呈議案】

<当社の着眼点>

  • 企業収益に対しバランスを欠いた支給額となっていないか。
  • 支給への期待により、社外取締役や監査役の経営監視機能が低下する懸念はないか。

<対話の状況>

  • 支給の対象が社外取締役や監査役の場合には、会社所定の基準に基づいた支給であるか等を確認し、監査役の経営監視機能をはじめとした対象者の職務遂行への影響を判断しております。
  • 退職慰労金が会社所定の基準に基づいた支給であることに加え、役員報酬の後払い的な位置付けであることを確認した結果、職務遂行に支障がないと判断した事例がありました。

【役員報酬議案】

<当社の着眼点>

  • 企業収益に対しバランスを欠いた支給額となっていないか。
  • 企業価値向上に資するものとなっているか。
  • 合理的な根拠がなく大幅に引上げられていないか。

<対話の状況>

  • 報酬額改定の内容・理由を確認し、中長期的な企業価値向上の観点から、妥当性を判断しております。
  • 企業収益が芳しくない状況で役員賞与を支給する場合でも、収支改善施策の取り組みにより今後の企業価値向上が期待できることを確認した事例がありました。

【新株予約権等議案】

<当社の着眼点>

  • 株式価値の大幅な希薄化を招く懸念がないか。
  • 役職員以外を付与対象とする場合、オプション付与による事業上のメリットとの対比で、不必要・非合理的なものになっていないか。
  • 監査役を付与対象とする場合、経営監視機能が低下する懸念はないか。

<対話の状況>

  • 新株予約権等による希薄化率等を確認し、希薄化懸念がないか判断しております。
  • 役職員以外や監査役を付与対象とする場合、その理由を確認のうえ、大幅な希薄化の懸念がなく、企業価値向上に向けたインセンティブとしての効用が認められる等、妥当性を確認した事例がありました。

【買収防衛策議案】

<当社の着眼点>

  • 企業価値ならびに株主共同の利益を損なうものでないか。
  • 独立委員会の設置等、目的に沿った発動を担保する態勢が整えられているか。

<対話の状況>

  • 導入・改定の経緯や目的・制度内容を確認のうえ、企業価値ならびに株主共同の利益の観点から、合理性を判断しております。また、資本効率性が著しく低い状態が一定期間継続している状況であるなど、現経営陣の体制維持に活用される懸念がないかという観点からも検証しております。
  • 上記のとおり対話を継続した中で、買収防衛策の廃止が取締役会で決議された事例がありました。
  • また、当社では国内社債投資先との間でも対話を実施しております。

【国内社債投資先との対話】

<当社の着眼点>

  • サステナビリティ(中長期的な持続可能性)の観点から、将来的または潜在的な課題を認識し、対策を講じているか。

<対話の状況>

  • ESGの観点での課題認識を共有し、その対策および進捗状況を確認しております。
  • ESG関連の開示強化を要請した事例や、課題解決のための資金調達手段としてサステナビリティ債の活用を提案した事例がありました。