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注目の企業に学ぶ(経営者インタビュー):
医療法人財団シロアム会 新城眼科医院

2019.02

全ては患者さまを笑顔にするために。次世代へ、私心なき“医療継承”を

医療法人財団シロアム会 新城眼科医院

緑内障、白内障、硝子体疾患、斜視・弱視、近視…。目にまつわるほぼ全ての病気や異常を最新医療機器を用いて治療し、40年にわたって地域の“目の健康”を支えてきた新城眼科医院。
地元・宮崎県下はもとより、全国各地からも目の悩みを抱えた人々が連日訪れています。そこまで支持され、信頼される背景には何があるのか。沖田和久院長にお話を伺いました。

1.最先端の医療機器を取り入れ、採算性より“最善の医療”を。

当院は、常に「安全で質の高い最善の医療」を目指している眼科医院(※1)です。常勤の8名の眼科専門医、特殊な疾病を担当する8名の非常勤医師、22名の看護師、14名の視能訓練士(※2)、13名のクラーク(※3)など、総勢108名のスタッフが日々患者さんのために最善を尽くしています。
患者さんと向き合う姿勢こそが最大の特長なのですが、その一つの表れとして最先端の医療機器や検査機材を積極的に導入している点が挙げられます。眼科の場合、医師の知識や技術、経験などと同じく、医療機器の性能が治療に大きな影響を及ぼします。より高性能な機器を用いれば、より正確に診断でき、より低侵襲(ルビ:ていしんしゅう)(患者の体への負担が少ないこと)で安全な手術を提供できるのです。
例えば老人性白内障は、加齢とともに誰にでも訪れる病であり、長生きをされればいつかは手術を受けることになります。その手術は水晶体の濁(ルビ:にご)りを取り除き、眼内レンズを入れ、通常10~20分程度で終わります。ですが外来での検査方法の違い、濁りを取り除く手術器具の違い、眼内レンズの選び方の違い、執刀した眼科医の違いなど、複数の要素によって術後の“見え方”は変わります。角膜乱視のある患者さんの場合(不正乱視・強度の乱視は除く)、白内障治療と同時に乱視矯正ができる単焦点の眼内レンズを保険適用で入れられ、裸眼視力の向上も期待できるのですが、医師の側からするとそのレンズは保険点数に加算できず、病院や診療所の負担となります。眼科医の中には「弱い乱視であれば矯正しないほうがいい」という意見も根強くあるため、一概にレンズのコストが理由とは言えませんが、あえて乱視を残す医師もいます。しかし、私どもの考え方はハッキリしています。患者さんにとって少しでもいい方向、少しでも快適になる方法を選ぶということ。コストは“最善”を選ばない理由になりません。
当院には、手術中に眼球の屈折をより正確に測定する装置があります。手術中、リアルタイムに眼球の全屈折を測定し、より適正なレンズを選べるのですが、この装置の導入費用も保険点数にはなりません。それでも、患者さんへ提供できる恩恵は計り知れないものがあります。白内障の手術は一度すれば二度とする必要がないのです。その大事な一度きりの結果で「見たいものにピントが合うか、合わないか」が決まるのですから。このような姿勢は、ほかの全ての検査・治療においても徹底しています。
※1:病床数20床以上の医療施設が病院であり、20床未満の場合は診療所(医院、クリニックなど)となる。
※2:「視能訓練士法」という法律に基づく国家資格を有する医療技術者。眼科医の指示のもとに視能(目の様々な機能)検査を行なうほか、斜視や弱視の訓練治療にも携わる。
※3:正式名称は「医師事務作業補助者」。医師が行なう診断書作成等の事務作業を補助し、通称として医療クラークや病棟クラーク、メディカルクラークなどと呼ばれる。

最高水準の検査や治療、手術を行なうための様々な最先端の医療機器。

2.創立者・新城歌子医師の理念を受け継ぐ“医療継承”を。

最先端の機器や設備の導入に際しては、当院の事務長に相当な苦労をかけています。我々医師は、世界中の医学誌や学会、医療機器メーカーなどから最新の情報を得て「これはいい。ぜひ取り入れたい」と簡単に言えますが、実際に購入費用を工面するのは事務長。「この機器は患者さんのためになるものですか? 先生のためのものなら買えません」と、厳しく“指導”されます(笑)。けれど言い換えれば、患者さんのためになるなら「不採算でもいい」ということ。一つハッキリと言えるのは、当院の治療方針も経営方針も明確で、突き詰めれば「それは患者さまを幸せにすることかどうか」の一点に尽きます。そこには、創立者である新城歌子先生の理念が色濃く表れています。
新城先生は、ただ最善の医療を追求するためにこの医院を立ち上げられました。私自身、言い尽くせないほどの影響を受けていますが、ほかの医師たちも同様です。何らかの問題に直面して迷っているときには、そっと寄り添うようにして「患者さんがハッピーになるように判断してください」「あなたの“心”を患者さんへ与えてください」などと声をかけてくださる。私は当初「一、二年だけ」のつもりで宮崎へ来たのですが、新城先生から「自由にやってみなさい」と背中を押されているうちに、気がつくと完全に骨を埋める覚悟になっていました(笑)。今、外の方々に向けての取材なのに、身内を褒めるようなことをお話しするのも気が引けるのですが…。それでも当院の根底にも、全スタッフの心にも先生の理念が浸透していますから、それをご理解いただくことが「新城眼科医院」の素(ルビ:す)の姿を知っていただくことにつながるのではないかと思います。
新城先生は、患者さんのためなら高額な設備投資も惜しみません。そして“患者さんを笑顔にするスタッフ”に気持ちよく働いてもらうための、環境づくりにも労を惜しみません。開院からほどなく、女性スタッフのために保育室を設置し、いつでも授乳しに行けるようにしました。40年も前に“女性活躍社会”を実現していたのですから、そう考えると凄いですよね。当院の成長期に、網膜硝子体手術の名医である荻野誠周(ルビ:のぶちか)医師に来ていただけたのも、多くの医師たちが集まってきたのも新城先生の人徳によるもの。先生ご自身に、私心なんて一切ありません。事務長に「この先生を雇いたいから、私の給料を減らして」と平気で言える人なんです。当院は約30年前に医療法人財団シロアム会を設立したのですが、一般医療法人ではなく財団としたのも「医療を個人の財産にしない」という先生の強い意志からでした。金銭的な事業の継承より、ただ「いい医療を続けてほしい」と“医療継承”を願ったのです。
先生は現在も現役で診察にあたっているのですが、満面の笑顔で「新城先生じゃなきゃダメ」と言って訪れる患者さんがいっぱいいます。私もそうでありたい。そして、さらに次の世代を担う医療者を育てていきたいと思います。

photo:Hirokazu Yoneda

企業DATA 医療法人財団シロアム会 新城眼科医院

本院 宮崎県宮崎市下北方町目後899-1
理事長 風間成泰
院長 沖田和久
開院 1978年(昭和53年)
設立 1987年(昭和62年)
診療内容 一般眼科診療および各種手術、近視矯正手術、先進医療(多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術 ※白内障に係わるものに限る)等
Webサイト http://www.shinjo-ganka.or.jp/
院長 沖田和久 Kazuhisa Okita

1970年、兵庫県生まれ。'96年、徳島大学医学部を卒業。横浜市立大学附属病院、総合上飯田第一病院(名古屋市)を経て、'02年に新城眼科医院へ着任。当時、ほかの病院からの誘いもあったが、一人の知人もいなかった宮崎行きを決断。決め手となったのは、創立者である新城歌子医師からいただいた直筆の手紙。新城医師の“熱い想い”に胸を打たれたからだという。'07年、医療法人財団シロアム会の理事に就任し、同年より新城眼科医院の院長を務める。現在も週の大半は自ら執刀。特に網膜硝子体手術、白内障手術(多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術を含む)の技術は高く評価され、講演や執筆依頼が全国から寄せられている。

[出典]頑張る経営者の応援サイト