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中小企業調査「大同生命サーベイ」 2019年7月度レポート

景況感

  • 「業況DI(自社の現在の業況)」は前月比▲0.9ptと悪化し、▲9.8ptとなりました。
  • 「将来DI(自社の1年後の業況)」は前月比+2.1ptと改善し、▲0.1ptとなりました。

個別テーマ:災害への備え

災害発生時に被害を最小限に抑えつつ、事業を継続・早期復旧するためには、日頃からの備えが重要です。9月1日の「防災の日」に向けて、防災や事業継続に対する意識や考えについて、中小企業の実態を調査しました。

  • 中小企業経営者のハザードマップの確認状況は、「確認している」が56%となりました。都道府県別でみると、近年、自然災害による大きな被害を受けた地域をはじめ、「南海トラフ地震」の被害が大きいと想定されている太平洋側で「確認している」が多くなりました。
  • 災害に備えて「実施している取組み」は、「データのバックアップ」が45%と最も多く、次いで「安否確認手段の整備・周知」が43%となりました。
  • 「ハザードマップを確認」「データバックアップを実施」「安否確認手段の整備・周知を実施」が4~5割程度と、災害に対して危機意識を持っている中小企業経営者は半数にとどまっています。自然災害の多い日本において、災害から従業員の命を守り、事業を継続できるよう、さらなる災害への備えが望まれます。

景況感

(1)現在の業況と将来の見通しの推移

個別テーマ 災害への備え

日本は自然災害の多い国です。災害発生時に被害を最小限に抑えつつ、事業を継続・早期復旧するためには、日頃からの災害への備えが重要です。9月1日の「防災の日」に向けて、中小企業の災害に対する取組みや意識を調査しました。

[参考]自然災害の多い日本(国土交通省HPより)

  • 災害大国日本。美しい自然を持つ日本の国土は、一方で地形・地質・気象等の特性により災害に対し脆弱で、極めて厳しい自然条件にあります。
  • 国土の70%を占めるといわれる山岳地帯は崩落しやすい地質等で構成され、そこから流れ出る河川は急勾配で洪水を起こしやすくなっています。
  • また、降雨は梅雨時期から台風期に集中しています。東京をはじめとするほとんどの大都市は河川の氾濫区域に存在し、その多くが軟弱地盤の上にあります。
  • 加えて世界のマグニチュード6超の地震の約2割は日本で発生し、活火山の約1割が日本に集中しています。

Q1. 事業所所在地のハザードマップ(洪水、土砂災害等)を確認していますか。

  • ハザードマップを「確認している」が56%となりました。
  • 「確認している」を業種別にみると、「不動産・物品賃貸業」が70%と最も多く、次いで「医療・福祉業」が66%、「情報通信業」が64%となりました。
  • 都道府県別でみると、近年、自然災害による大きな被害を受けた地域をはじめ、「南海トラフ地震」の被害が大きいと想定されている太平洋側で「確認している」が多くなりました。

参考情報

国土交通省ハザードマップポータルサイト別ウィンドウで開きます

Q2. 災害への備えとして「実施している取組み」「今後実施したいこと」は何ですか。

  • 「実施している取組み」では、「データのバックアップ」が45%と最も多く、次いで「安否確認手段の整備・周知」が43%となりました。
  • 「今後実施したいこと」では、「備蓄の確保(水・食料等)」が30%と最も多く、次いで「安否確認手段の整備・周知」が29%となりました。

自然災害で被災経験のある経営者の声
災害への備えとして「日頃から準備しておいた方がよいこと」「準備していなくて困ったこと」(自由回答)

1位:水・食料の確保/117人

  • 「飲料水、食糧、トイレ」の準備は必須。ほか、「ブルーシート、ダンボール、レジ袋」があると便利(北関東/建設)
  • コンビニ等の商品はすぐに無くなるため、自身で2、3日程度分の食料衣服等の準備が必要(南関東/サービス)
  • 熊本地震時に水道が復旧する前に事業を再開したため、「飲料水・生活用水・簡易トイレ」がとても重要だった(九州・沖縄/建設)

2位:ガソリン・燃料の確保/56人

  • 「移動手段のための車・燃料」や「自家発電機用の燃料」は必須(東北/サービス)
  • ガソリンスタンドが約3時間待ちになり困った経験から、ガソリンは常に一定量を満たしておくことにしている(南関東/建設)

3位:電源の確保(自家発電・電池)/51人

  • 電気が利用出来ないと何も出来ない。自家発電装置は用意しておいたほうが良い(北海道/建設)
  • 正確な災害状況の把握や安否確認などのために、電池やバッテリーの準備が不可欠だと痛感した(東北/サービス)

4位:損害保険の加入/27人

  • 工場が被災したが、損害保険に加入していなかったため修理が大変だった(北関東/製造)
  • 各種保険を見直し、更新漏れがないか、現状にきちんと対応できてるかを確認しておくことが重要(関西/卸・小売)

5位:安否確認手段の整備/23人

  • 災害時はまず、どれだけ早く従業員の安否確認ができるかが重要なため、連絡手段は複数用意しておくべき(東北/建設)
  • 社内緊急連絡網の情報更新など、従業員や取引先の安否確認手段を整備しておくことが必要(南関東/卸・小売)

その他

  • ハザードマップを熟知し、避難勧告に迅速に対応する意識を持つことが必要(北関東/建設)
  • 事業用パソコンなどのデータのバックアップはやっておかないと大変なことになる。分散保存が有効(九州・沖縄/建設)
  • 津波警報時に高台に避難しようとしたが、渋滞のため時間を要した。道路・交通状況の確認方法が重要(九州・沖縄/卸・小売)
  • 水害の被害を最小限にするため、重要機器・機械は2階に設置している(関西/製造)
  • 事業場が浸水したが、コンセントの位置を高くしていたため、パソコン等の精密機械の被害がほとんどなかった(四国/建設)
  • 災害により仕事が無くなり、2ヵ月くらい収入が減少し苦労した。運転資金などの金銭面の準備が必要(東北/卸・小売)
  • 災害時は地域との連携が必須なので、日頃より近隣住民と顔が見える付き合いをしたほうが良い(東北/建設)

Q3. 災害への備えとして、他企業や関係団体との協力体制の構築に向けた取組みを実施していますか。

  • 「他企業・団体との連携状況」では、「連携に取組んでいる」が38%、「関心はあるが取組んではいない」が48%となりました。8割以上の企業が「他企業・団体との連携」に関心を持っていることがうかがえます。
  • 業種別でみると、「連携に取組んでいる」は社会インフラの復旧に関わる「建設業」が45%と最も多くなりました。
  • 連携に取組んでいる企業の「連携相手」は、「同業他社」が37%と最も多く、次いで「自治体(市町村等)」が35%となりました。
  • 連携に取組んでいる企業の「取組み内容」は、「防災情報の共有」が53%と最も多く、次いで「災害発生時の被災状況等の連絡体制の構築」が34%となりました。

Q4. 「災害発生前の備え」や「災害発生後の事業継続支援」について、行政に期待することは何ですか。

  • 「災害発生前の備え」では、「災害発生時の情報提供方法の周知」が54%と最も多くなりました。
  • 「災害発生後の事業継続支援」では、「被災状況の情報提供」が25%と最も多くなりました。

Q5. BCP(事業継続計画)※を策定していますか。

Business Continuity Planの略。企業が自然災害などの緊急事態に遭遇した場合に、資産の損害を最小限にとどめ、事業の継続あるいは早期復旧を可能とするため、平常時に行うべき備えや緊急時の対応などを取り決めておく計画。

  • BCP策定状況は、「策定している」が5%と前回調査(2018.11)に比べ▲3ptとなりました。依然としてBCPの策定が進んでいないことがうかがえます。
  • 従業員規模別でみると、規模が大きいほど「策定している」が多くなりました。
  • 「策定している」を業種別でみると、「情報通信業」が12%と最も多く、次いで「運輸業」が9%、「製造業」が8%となりました。

Q6. どのような支援策等があればBCPを策定しようと考えますか。

  • 「BCPを策定しようと考える支援策等」では、「セミナー・説明会などによる説明」が32%と最も多く、次いで「法令で定められている」が19%となりました。
  • BCPの策定状況別にみると、「BCPを策定予定」と回答した企業では、「セミナー・説明会などによる説明」が50%と最も多くなりました。「BCPを策定していない」と回答した企業では、「セミナー・説明会などによる説明」が25%と最も多かった一方で、「支援策があっても策定はしない」が23%となりました。

(参考)BCPを策定しない理由[2018.11調査]

参考情報

中小企業BCP策定運用方針(中小企業庁HP)別ウィンドウで開きます

中小企業の特性や実状に基づいたBCPの策定方法や継続的な運用方法が、わかりやすく説明されています。

「事業継続力強化計画」認定制度(中小企業庁HP)別ウィンドウで開きます

中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が認定する制度です。認定を受けた中小企業は、税制優遇や金融支援、補助金の加点などの支援策が受けられます。

Q7. 災害時に電話が繋がらない場合の従業員全員の安否確認について、どのように対応する予定ですか。

  • 「電話以外の安否確認手段」では、「SNS(Twitter・LINE等)」が42%と最も多く、次いで「電子メール」「電話以外の方法は考えていない」が30%となりました。
  • 従業員規模別でみると、「SNS」がいずれの規模でも最も多くなりました。一方、「電話以外の方法は考えていない」では規模が小さいほど多くなりました。

【専門家意見】海野 晋悟 氏[香川大学 准教授]
「防災と経済学」(高い確率で発生が予想される自然災害に対し、各経済主体が防災活動を進めるメカニズム)について研究

ハザードマップ
災害大国日本において100%安全と言える地域はなく、また、災害の発生を予測することも極めて困難です。
企業は、災害発生時に従業員の命を守る使命がありますが、ハザードマップの確認状況では「確認している」が56%と十分とは言えません。「数十年に1度の異常気象」が「数年おき」に発生する昨今、中小企業経営者は「自分ごと」として従業員の命を守ることに真摯に向き合うことが望まれます。
BCP(事業継続計画)
依然としてBCP策定率は低い状況にあり、策定率向上に向けて早期の対応が必要です。
策定に向けて期待する支援策では「セミナー・説明会などによる説明」が最も多く、多忙な中小企業経営者は「まずはBCPに関する情報を効率的に収集したい」と感じています。
中小企業のBCPの策定推進に向けては、行政をはじめ策定支援機関が「セミナー・説明会」を継続的かつ経営者のBCP意識レベルに応じた内容で開催し、BCPの必要性や策定方法等を広く・わかりやすく周知していくなど、中小企業経営者に寄り添った対応を進めていくことが重要です。